2008年1月13日 (日)

28冊目 古王国記 サブリエル

古王国記Ⅰ、「サブリエル」 (副題「冥界の扉」、ガース・ニクス著、主婦の友社)をご紹介します。 本の帯には、 「ダークファンタジーの最高傑作」と評されていますが、世界設定や魔力をもったベルを武器として戦うアブホーセンなどのキャラクターがとてもユニークで、出版社がちょっとマイナーなのでなかなか本屋で見つけづらいですが、ファンタジーファンの方にはぜひお薦めしたい一冊です。

「サブリエル」ガース・ニクス著、主婦の友社  

 

 

 評価:星4つ ★★★★

ダークファンタジーとありますし、確かに死霊やらネクロマンサーやら冥界などが出てきますけれど、それほど暗くてじめじめした話でもないと思いますので誰が読んでも楽しめるのではないでしょうか? 評価も星5つに惜しくも届かずといった高評価。

まず、世界設定ですが、アンセルスティエールという20世紀前半のヨーロッパを連想させる通常の世界と、古王国と呼ばれる魔法の世界が巨大な壁を境に存在する形になっています。

壁は強力な魔法の壁で門を通る以外ほとんどの者を阻みます。 また、門はアンセルスティエールの軍隊が防衛しています。 車や電気機器などの近代文明の物は古王国内ではまったくの無力で、すぐに壊れてしまう一方、魔法はアンセルスティエールでは使用できなくなってしまうというちょっとご都合主義な設定です。

古王国は王が不在で摂政が治めていましたが、今では音信不通で中に入って生きて戻ってきた者はいないと言われるようになってしまっています。

そんな中、主人公のサブリエル古王国出身でありながら、アンセルスティエールの学校に通っています。 学校は壁に近いので魔法も多少使うことができるのです。

昼は普通に勉強し、夜は父親から魔法的な手段での連絡を待って魔法を学んでいたが(ネクロノミコンなんてものを読んで勉強しています・・・)、あるとき父親からの連絡が途絶えてしまいます。

最後に受け取った魔法の剣とネクロマンサーのベルを手に、アブホーセンと呼ばれる父親の消息を確かめに死霊がはびこる古王国へと踏み出していく・・・というのが物語の出だしです。

ここでアブホーセンについて説明すると、ネクロマンサーと同等の技を身に着け、ネクロマンサーに対抗し、死霊を冥界に追い返すというとても危険な職業です。

ベルは全部で七つあり、一番目のベルは聴く者を眠りに誘う「ランナ」、二番目は眠りを呼び覚まし死者すら起こす「モスラエル」、三番目は聞く者を操り動かす「キベス」、四番目は声を与え秘密を暴き逆に声を奪うこともする「ダーリム」、5番目は思考を操る「ベルガール」、6番目はアブホーセンがよく使う死霊を縛り付ける「サラネス」、7番目の最終のベルが「アスタラエル」で哀悼のベルと呼ばれ、最も強力で音色を聴く者全て(鳴らした本人も!)を冥界の奥底へ追いやってしまう。

それぞれのベルに癖があり、使い方を誤ると手痛いしっぺ返しがあるのですが、このベルが物語の中で重要な役割を果たしますし、面白い部分です。

さらに、死霊と戦うアブホーセンは冥界にも降りていきます。 冥界は第1層から9層まであり、それぞれの層に違う罠があり、奥へ行くほど危険は増していきます。 ここではベルと死霊の書の知識だけが武器となります。

他にも、チャーター魔術という、古王国で一般的に使われる紋章術のような魔法や、フリーマジックという使用する者の舌を焼き、心を腐らせる闇の魔術も存在して、慣れるまで分かりづらいところがあります。

また、途中でサブリエルと行動を共にするモゲットという喋るネコが皮肉屋で物語にスパイスを与えています。 猫だけに(?)気分屋で謎めいたところもあり、時にはサブリエルにも牙をむいてきます。 本当の正体が明かされるのは古王国記Ⅲ「アブホーセン」まで待たなければなりません。

物語中盤では二百年も昔から石像にされていたタッチストーンと名乗る青年も仲間に加わり、古王国を支配する闇を追い払うために、強大な敵と戦うことになっていくのです。

近代文明世界と魔法の世界を行き来する物語なので「ハリーポッター」を連想するかもしれませんが、読んでみるとそれほど共通点はありません。 壁の付近では魔法の存在も認知されていて、死霊と軍隊の戦闘シーンもあります。 それでいながら、陳腐な内容になっていないところが絶妙なバランスですね。

サブリエルの物語はこの上下2巻で終わり(物語には出てきます)、古王国記Ⅱ「ライラエル」Ⅲ「アブホーセン」ではライラエルという女性が主人公となって活躍します。 ライラエルと行動を共にするのは犬で、これも話すし、見た目通りの存在ではありません。 説教好きですが犬だけに(?)モゲットと違って忠実です・・・。 こちらもファンタジーファンなら見逃せません。

関連リンク(ブログ内)

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古王国記Ⅰ「サブリエル」(上巻)

古王国記Ⅰ「サブリエル」(下巻)

古王国記Ⅰ「サブリエル」(ハードカバー)

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2007年12月31日 (月)

27冊目 恐怖の存在

「我々は環境問題の各方面について驚くほど実態を知らない」。 マイケル・クライトン(ハヤカワではマイクル・クライトンと表記)の「恐怖の存在(上・下巻)」を紹介します。

恐怖の存在 マイケル・クライトン著(ハヤカワ文庫)  

 

 

評価:星3つ ★★★

マイケル・クライトンが本作(State Of Fear)を発表したのは2004年だそうです。 地球温暖化といえば今では誰もが知っている問題で、二酸化炭素排出権ビジネスまで一般的に認知されるほどですね。

本作では、気象災害を引き起こす環境テロリストの陰謀を食い止めるというストーリーを展開しながらも、「地球温暖化説は単なる仮説で立証されていない」、と作者の意見が打ち出されています。

詳しくは本を読んで欲しいのですが、世界の平均気温と二酸化炭素濃度は確かに上昇しているが、それが二酸化炭素による、いわゆる「温室効果ガス」によるものとは断定できていないというのです。

また、世界の平均気温の測定方法や海面の上昇の測定方法に色々な不確定要素があることや、果たして南極の氷は溶けているのか?といった様々な疑問が作中の人物の口を借りて語られます。

ここまで聞くと、環境問題に敏感な人ならば、「けしからん!」となってしまうかもしれません。 しかし、マイケル・クライトンは環境保護をしなくても良いとか、二酸化炭素を排出しても問題ないとか、そんなことを言っているわけではありません。

さらに言えば、地球温暖化現象を否定しようとしているわけでもないのです。 ただ、「地球温暖化」というキーワードが出るとそれに反論すること自体がタブーとされ、科学的な議論もないがしろにされていることに危惧しているのです。

マイケル・クライトンが作中で「恐怖の極相」と表現する民衆を恐怖という道具でコントーロールしていくこと、それを行っている政治・法曹・メディアの複合体に対する注意喚起こそがこの作品が伝えたい部分なのです。 なんだか、マイケル・ムーアの「ボウリング・フォー・コロンバイン}を思い出しますね。

まあ、マスコミやみんなが言っているから、というだけで鵜呑みにするのは危険ですよね。

ただ、マイケル・クライトンも偏った書き方を昔からするので、「?」な部分もあったりします。 日本人としては「ライジングサン」なども偏見で書かれた問題作ですよね(w 

ともあれ、ストーリー自体もスピーディーな展開のアクションで、先を読ませる魅力は十分あります。 まあ、ハリウッド映画にありがちなストーリーではありますが、なかなか楽しめました。

関連サイトとして下記にワシントンDC開発フォーラムへのリンクも載せました。この作品に対する反論や、問題点が記載されています。 まあ、ざっと読むと、個々の細かい問題にしか反論できていないようにしか見えませんが。

関連リンク(ブログ内)

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22冊目 「緊急の場合は」

関連リンク(ブログ外)

ワシントンDC開発フォーラム・環境ネットワーク

恐怖の存在(上巻)

恐怖の存在(下巻)

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2007年9月27日 (木)

26冊目 極大射程

今回はスティーブン・ハンター著、「極大射程」(上・下巻、新潮文庫)を紹介します。 題名からも想像つくように、スナイパーが主人公の軍事・アクションものです。

映画化もされていて、「ザ・シューター」という名でレンタルビデオにも今並んでいます。この感想を書く前に一度見てみたかったのですが、先週は三連休だったせいかすべて貸し出し中で見れませんでした。

「極大射程」新潮文庫 

 

 

 

評価:星3つ ★★★

物語は、退役軍人で名狙撃手だった、ボブ・リー・スワガーが山の中で静かに鹿を待ち伏せするシーンから始まります。 戦友を失い、自らも重傷を負った挙句、ベトナム戦争への批判も追い討ちとなって、今では人との関係を絶って山奥に暮らしているのです。

そんなボブの元に腕の確かな狙撃手に新開発の弾丸を試射して欲しいとの依頼が舞い込みます。 相手が見かけどおりの組織ではないと疑いながらも、軍を退役した原因でもあり、相棒のかたきでもある敵スナイパーに仇討ちをできる機会をちらつかされ、再び山を降りたボブは国家レベルの陰謀に巻き込まれていく・・・。

巧妙に仕組まれた陰謀からどのように逃れるのか、そして復讐は叶うのか。 軍事ものが嫌いな人はともかく、先を早く読みたくなる展開が続いていきます。

何百メートルも先から標的を狙うスナイパー。 狙撃ポイントの選び方やライフルのことなど、狙撃に関する知識もちりばめられ、なかなか面白かったです(もっとも、軍事マニアな人たちからすれば、色々問題があるようですけれど・・・)。

ただ、ボブ・リー・スワガーが超人的な強さで常に敵を圧倒しつづけるところはやりすぎかなぁと思ったりします。 特に後半、一人で軍の1部隊を撃退するのはどうかと・・・・最後の敵もあっけなくやられてしまいます。 まあ、爽快感はありますが。

どちらかというと、先に敵の手口が明らかにされて、その巧妙な罠をいかにしてボブが切り抜けるか、といった楽しみ方でしょうか。 なんか、刑事コロンボみたいだなぁ・・・(w

数奇な運命からボブと行動をともにするようになるのは、FBI捜査官のニック・メンフィスで、過去狙撃を失敗して人質の女性を半身不随にしてしまった辛い過去を持っている人物です(ちなみに、ボブは同じ状況のシュミレーションでなんなく狙撃成功・・)。

物語にニックを加えたことにより、ボブを第三者の目線で見れて深みが出てる気がします。 濡れ衣とはいえ、要人暗殺の犯人となっているボブと一緒になってしまった哀れなニック、彼は再びFBIに復帰できるのでしょうか?(w

また、始終怯えている心理学者、ドブラーも最後名脇役として活躍!? 最後は生死不明になりますが、きっとしぶとく生きているのではないかと。

長い戦いを終え、敵を倒した後も舞台を法廷に移してピンチに陥ります。 ちゃんと読んでいた人なら最後の展開は予測できるでしょうけど、まあ、気持ちのよいほどにボブの独り勝ちです(w ここでもニックが哀れでなりません・・・。

スナイパーものというと、ジェイムズ・セイヤーの「地上50m/mの迎撃」も面白かった記憶があります。 この本が楽しめた方ならぜひご一読を。

後日談になりますが・・「ザ・シューター」をレンタルで借りて観てみました。 う~ん(w まあ、ストーリーや設定を変えているところはそんなに気にならないのですが、スワガーが必殺仕置人みたいになっていますね・・・。 白兵戦もするし・・・正義のためなら何をしてもよいと言わんばかりのラストでした。

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軍用スナイパーライフル(狙撃銃)

東京サバイバルゲーム チーム METAL・BEE様のHP(勝手にリンクを貼らせていただきました・・)

極大射程(上巻)

極大射程(下巻)

地上50m/mの迎撃

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2007年6月17日 (日)

25冊目 エレコーゼサーガ「剣のなかの竜」

マイケル・ムアコック永遠の戦士シリーズの核をなす「エレコーゼサーガ」がハヤカワ文庫から復刊されました! 題名は旧巻では2巻目にあたる「黒曜石の中の不死鳥」となっています。 それを記念して(って大袈裟ですが)今回はエレコーゼサーガ最終巻にあたる「剣のなかの竜」を紹介します。

エレコーゼサーガ「剣のなかの竜

 

 

 (*図は旧巻のものです)

評価:星5つ ★★★★★

第1巻「永遠の戦士」、第2巻「黒曜石の中の不死鳥」もいずれ機会があったらご紹介したいと思いますが、個人的に第3巻にあたる「剣のなかの竜」が最も優れた作品だと思っていますし、長編で読みごたえもあるため、こちらの感想を先に書く次第です。 

また、一応「黒曜石の中の不死鳥」の話の続きから始まる形ですが、エレコーゼの話は毎回転生するので、この巻だけでも十分楽しめます(マイケルムアコック初めてという場合は厳しいでしょうけど・・・)。

さて、今回エレコーゼが呼び出される世界は、6つの違う次元をそれぞれ行き来できる世界です。 この世界での英雄であるフラマディンという人物になる訳ですが、今回は単純な英雄物語ではありません。

しばらく経つうちに徐々に明らかになるのですが、フラマディンには双子の妹がおり、実質的には妹のシャラディムが実権を握っており、それに抵抗したフラマディンは永遠に国外追放されたお尋ね者なのです。 

英雄として常に戦ってきたエレコーゼとしては意外な展開で、この後登場するエルミザードそっくりのヒロイン、アリサードともいまいちうまくいきません。 英雄の介添人役のフォン・ベックアリサードの仲に嫉妬するところまで墜ちてしまいます(w

混沌の手を借りて世界を征服しようとするシャラディム姫エレコーゼ達は対抗できるのでしょうか?

ラストも今までの永遠の戦士の物語とは違った終わりを迎えます。 なぜなら、この作品は「ブラス上年代記」の第3巻で永遠の戦士シリーズが一応の終わりを迎えた後に書かれた物語で、ムアコック自身の考え方も以前の人間に否定的なものから、英雄への懐疑、人間の再評価というものに変わってきているからです。

物語の後半で、英雄という役目に縛られ、潰されそうになったエレコーゼに対して、フォン・ベックが言います。 「あんたの身に起きたことを変えることはできまい。だが、あんたが何になったかは変えることができる ~ あんたは、自分がなったものを、変えることができるんだ!」 この言葉が今回の重要なテーマになっていて、この選択を誤れば悲惨な運命が待っていたかもしれません。

他にも結構名言があって、「人間一番腹を立てるのは、物事を自分に都合よく誤認していたことに気づいたときだというが、まことにもってそのとおりだな!」など、諧謔(かいぎゃく)精神にあふれる台詞も楽しみの一つです。

今までのエターナルチャンピオンシリーズとは違うコンセプトとはいっても、いつもの法と混沌と天秤という話は変わらないですし、セピリズ曲がりのジャーメイスといったお馴染のキャラクターも出てきます。

他にも、6つの世界が舞台のため、人間のほかに食人の習慣があるという「亡霊女」や、太古から存在する(なんと、宇宙のサイクルを4サイクルも経験した)「熊の王族」など、様々な種族が登場するほか、混沌の中心でも歪曲されず、法の存在であることを貫き通すユニコーンや、聖杯、最後の戦いのためだけに生き続ける「時の果ての戦士」なども出てきます。

また、最後は混沌の大公爵、バラリザーフとの壮絶な戦いも描かれ、エルリックサーガに繋がる物語として、「王の指輪」「ストームブリンガー」「モーンブレイド」がどのようにして生まれたのか、メルニボネの祖先がどのような人々だったのかを暗示させる部分もあり、ファンとして見逃せないストーリーとなっています。

ラストは、友人の誘いを断って、あれが正しい選択なんだろうな・・・とは思うものの、どことなく寂しい感じですね。 でも、ついていっても、あの後メルニボネに続くのか・・と思うと微妙ですが(w  ジョン・デイカーとはムアコックの分身みたいなものなんでしょうか。

追記

書店に行ったら、もう新刊版がでていました。ちらっと見た感じでは、内容は手を加えてない感じです。 旧版を持っていない方はお薦めです。

まだアマゾンの検索では新刊が出ていないみたいですが、ハヤカワオンラインで購入できます。>>新刊版のアマゾンへのリンクを追加しました。

関連リンク(ブログ内) 

3冊目 エルリックサーガ 「メルニボネの皇子」

11冊目 ストームブリンガー

13冊目 紅衣の公子コルム

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剣のなかの竜(新版)

剣のなかの竜(旧版)

黒曜石のなかの不死鳥

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2007年5月 4日 (金)

24冊目 ハゲタカ

「ハゲタカ」真山仁著)はテレビ化されて、2月から3月までNHKで土曜に放送していましたので知っている人も多いと思います。 テレビの方は結局あまり見れなかったのですが、原作の方を読んでみました。

ハゲタカ 真山仁著

 

 

 

評価:星4つ ★★★★

テレビの方は少し見た限りでは、銀行員の柴野とファンドマネージャーの鷲津が以前銀行で上司・部下の関係で、その時の因縁やバブル期の中小企業苦しさなどが前面に出され、原作にはいなかった女性記者を加え、何か人情物の様なストーリーになっていたように感じました。

原作の方は上・下巻でボリュームもあり、柴野鷲津を中心にしながらも、鷲津を師と仰ぐ、米投資銀行のリン・ハットフォードアラン・ウォードや、伝統あるミカドホテルを所有する松平家一族などの様々な人物が、バブル後の激動の人生を歩んでいく様子が語られます。

バブル崩壊はどのようにして起こったのか、ハゲタカと呼ばれた外資系ファンドの実態はどのようなものだったのかが、銀行側、企業側、ファンド側とそれぞれからの視点で描かれています。

もちろん、ノンフィクションではありませんが、実際の出来事を絡めていて、現実味があって迫力があります。 当時マスコミで盛んにバブルについて、政府が悪い、行政が悪い、貸し渋りをする銀行が悪い、ハゲタカ外資にいいように買い叩かれているなどの批判が報道されていましたが、この本を読むとまた違った一面が見えてくる気がします。

「世の中全体がバブルに浮かれていた」 「無理に貸した銀行が悪い」、確かにそれもあるでしょう。 でも何か他のものに責任転嫁する日本人の悪い癖が出ていないでしょうか?(一応断っておきますが、私は銀行員でも金融業者でもありません・・・あしからず(w

物語は、アメリカでピアニストを目指していた鷲津政彦が日本からある知らせを受けたことが原因で、再びファンドマネージャーとして金融の世界に舞い戻るところから始まります。

そして、柴野の勤める銀行でのバルクセール(多数の不良債権をパッケージ化して、投資ファンドなどに一括売却する手法)を実施する場面で二人は出会います。 バブル後増加していく不良債権の処理が銀行の課題となっていますが、まだこの時点では本当に深刻な事態になってはいない様子。 日本で始めての手法とはいえ、鷲津リンアランのグループにいいように買い叩かれてしまいます。

パッとしない風采でありながら、ゴールデンイーグルの異名のとおり狙った獲物は逃さず、困難な状況もあっと驚く手段で乗り越えてしまう鷲津。 ゴールドバーグ米投資銀行の日本法人で重職にありながら、鷲津たちと行動を共にする外国人美女、リン。 ゴールドバーグから鷲津のファンドに移籍した、大のゲーム好きで明るいアラン

この3人を中心にバブル後の日本で起こった数々の事件、山一證券や長期信用銀行、東京相和銀行、足利銀行の破綻などがフィクションを交えながらも、当時新聞やニュースで見るより臨場感のある描写で語られていきます。

一方の柴野の方は、三葉銀行を辞めた後、知り合いのスーパーを事業再生させるべく奮闘していきます。 さらに、ミカドホテル創業者の娘である松平貴子の外資ホテルでの活躍から一転、ミカドホテル再生へのつらく長い物語もあります。

これら三者が時に交わりながらもそれぞれの物語を綴っていき、バブルとは何だったのか、そして日本の抱える矛盾と闇が語られているように感じました。

この物語、フィクションということで実際の会社名などを文字っていますが、1字だけかえたようなものが多く、三葉(=三和)銀行や足助(=足利)銀行、ゴールドバーグ・コールズ(=ゴールドマン・サックス)をはじめ、すぐ想像できてしまうものが多く、それがフィクションでありながらリアリティを増していました(良いのかどうかはわかりませんが・・・)。

なお、もっと作品のモデルとなった企業等を知りたい方は、ブログ「ニッポンの東南角部屋から」にたくさん載っていました、勝手に紹介させていただきます。

ドラマでのサンデートイズは、原作では太陽製菓となっています。同族企業、バブル期の無理な不動産投資、公私混同など問題点は共通していますね。 ただ、太陽製菓のお菓子が「ハニーコーン」であるなど、どこの企業か分かってしまうので玩具会社に変更したのでしょう。

物語のラストで、鷲津がそもそも日本に舞い戻る切欠となった事件への復讐が果たされますが、まあ、ラストだけはちょっと弱いというか、なんとなく終わったという感じでした。

それでも中盤は手に汗握って読み進みましたし、経済や金融に詳しくない人でも十分に楽しめる作品だと思います。 次回作のハゲタカⅡ(バイアウト改題)も今読んでいますので、そのうちにご紹介します。

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「ニッポンの東南角部屋から」

ハゲタカ(上巻)

ハゲタカ(下巻)

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2007年4月22日 (日)

23冊目 アークエンジェル・プロトコル

過去のお薦め本紹介からちょっと離れて、積読となっていた本を消化。 「アークエンジェル・プロトコル」という本です。 ライダ・モアハウスって著者も初めて見ました。

アークエンジェル・プロトコル ライダ・モアハウス著 ハヤカワ文庫

 

 

 

評価:星3つ ★★★

ジャンルは迷いましたが、SF扱いにしました。 でも、アメリカ私立探偵クラブ賞受賞しています。 まあ、SFとハードボイルドとファンタジーを詰め込んだ本と言ったほうが分かりやすいかもしれません。

評価も、始めは星3つをつけようかと思ってました・・・いきなり「リンク天使」とか「メデューサ爆弾」とかでてきて、さらにSF慣れしていない自分には世界観になじむのに時間がかかったからです。 でも、慣れてくると結構面白かったり・・・2作目まで読みたいかというと微妙ですが、この本自体は中盤からラストまでは一気に読んでしまいました。

世界観は、「甲殻機動隊」(士郎正宗著)の電脳化された世界とレイン」(serial experiments lain)での概念、リアルワールドワイヤードなどを連想させます。 それにミカエルをはじめ四大天使、モーニングスター(明けの明星)など宗教やファンタジーの世界もミックスされています。 あ、主人公は女刑事で凄腕ハッカーってのもなんとなく何かに似てますね・・・(w

舞台は2075年くらい?で、アメリカです。 しかし、人類の科学と戦争が「メデューサ爆弾」という恐ろしい兵器を生み出し大きな被害が出たこともあり、宗教が政治や生活を支配する世界になっています。

一方、人々はこめかみに端末を埋め込んで、直接ネットに繋がる「電脳」が普及。 ネットにつなげない貧困層や犯罪などではずされた人はその恩恵に与れません。

そんな中、リンク(ネット)の中に「天使」が光臨するという事件が起き、人々に直接イメージや感情を与える通常不可能な奇跡を起こし、ほとんどの人が本物の天使だと信じるようになります。 それがネット上に現れる神の使い、「リンク天使」と呼ばれる存在です。

やっと、あらすじですが(w 主人公のディードリはネット上の犯罪を取り締まる女捜査官でしたが、同僚の起こした事件に巻き込まれる形で解雇され、宗教上も破門となり、リンクもできなくなります。

しがない私立探偵となった彼女ですが、ある日「リンク天使」は偽者の天使なので正体を暴いて欲しいと依頼を受けます。 それがきっかけで本物の天使やら天才ハッカー「マウス」、現政府へのレジスタンスなどを交えた壮大な物語が始まるのです。

上でも述べたとおり、SFとハードボイルドと宗教(ファンタジー?)を混ぜたようなこの作品、でも決してハチャメチャなストーリーになっているわけではありません。 ハードボイルドを物語の格子に据え、世界観はSF、概念は宗教と見事に融合しているんじゃないかと思います。

オーソドックスな話に食傷気味な方、興味を持った方は一読されることをお薦めします。

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2007年3月20日 (火)

21冊目 半落ち

横山秀夫著の「半落ち」ですが、しばらく積ん読く(つんどく)になっていました。 映画の話題も下火になり、完全にブームに乗り遅れましたが、最近ようやく読みました(w

評価:星4つ ★★★★

これが読み始めてみるとなかなか面白くて、2日の通勤電車で読んだ後、家で残りを一気に読んでしまいました。

物語は、現職警察官の梶総一郎がアルツハイマーの妻を殺し、2日後自首してきた事件について、刑事、検事、記者、弁護士、裁判官、そして刑務官それぞれの視点から語られます。

事件自体は単純で本人が自首していますが、殺人後自首するまでの2日間何をしていたのか、ということは黙秘を続けます。

警察内部の隠蔽体質から始まりますが、読んでいるうちに純粋に本人の空白の2日間がなんだったのか、何を待っているのかに興味が湧いてきます。

真面目で人柄の良い警官であった梶が、妻から「殺して」と頼まれてやった犯行・・・。 一度は後追い自殺を試みたものの、何処かを彷徨ってからの自首。 自首の直前に書いた「人生50年」の書。 それらが何を意味するものなのか。 それぞれの立場の人間が探ろうとします。

が黙秘する謎を次々にバトンタッチしていくような感じです。 ですが、それぞれの人にも物語があって、各章が独立した短編のようにもなっています。 謎は最後の刑務官の章で解けますが、通常のミステリのように謎を解くために読むというより、各登場人物の物語を読みつつ、それぞれの視点からこの事件を見ていくといった感じでした。

凶悪犯罪の捜査を指導するベテラン刑事と警察内部の闇、正義感に燃えるエリート検事と組織の圧力、特ダネを掴もうとする記者の挫折など個々のストーリーも読ませるものがあります。

推理することが目的ではないので、謎を独力で解くのは難しいと思いますが、最後分かった時、「ああ、そうか・・。」と哀しいながらもすっきりとした結末になっています。 映画は見てませんが、本で読んだ方が面白い話だと思います。 読んでいない方はぜひ、一読をお薦めします。

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半落ち 文庫版

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2007年3月 8日 (木)

20冊目 呪われし者の女王

アン・ライスヴァンパイア・クロニクルシリーズの3作目、「呪われし者の女王」を今回はご紹介したいと思います。 前作「ヴァンパイア・レスタト」の最後、ロックコンサートの騒動の後にアカシャにさらわれたレスタトがどうなるのか、その続きと結末が本作で語られます。

呪われし者の女王

 

 

 

評価:星4つ ★★★★ 

呪われし者の女王とは、前作でヴァンパイア・マリウスが古代から護ってきた、全てのヴァンパイアの始祖であり、動かぬ彫像として安置されていたアカシャのことです。 

古代エジプトの時代からヴァンパイアとして蓄えた力は想像を絶するものがあり、世界中の人間の思念を受信し、天敵である太陽すら表面を焦がすにすぎません。 超高速で空を飛べる上、前作の最後でも使われましたが、念じるだけで人間やヴァンパイアを殺せるほどの力を持っています。

今まで石像のようにほとんど動かなかった彼女がレスタトに刺激され目覚めるわけですが、なぜ各地のヴァンパイアを襲ったのか、そしてレスタトをさらって何をしようとしているのか? アカシャの恐るべき野望も後半で明らかになっていきます。

上巻の前半は時間を巻き戻って、前作の最後、レスタトのコンサートに至るまでの他のヴァンパイアや人間の様子が語られます。 

アカシャの目覚めに直面したマリウスの危機とヴァンパイア達の王であったエンキルの最期。 それを助けに向かうパンドラサンティーノ。 この辺りで登場するヴァンパイアたちは前作では存在すら疑われていた伝説のヴァンパイアです。

ヴァンパイア・アルマンと元記者のダニエル(インタビューウィズヴァンパイアでヴァンパイア・ルイにインタビューした人物です)の物語。 若いヴァンパイア達がアカシャに襲われる様子。 世界中の超常現象を調査している団体、「タラマスカ」の女性調査員ジェシーの一族に関する謎。

それらの中で繰り返し現れる夢が「双子の夢」です。 それが何を意味するのか? 謎を置いたまま物語は先に進みます。

後半になると、レスタトアカシャの話と、「最初の血」と呼ばれるアカシャと並ぶ最古老のヴァンパイアの元に生き残りの他のヴァンパイアが集まり、「最初の血」、マハレが語るヴァンパイアの歴史の真実と悲劇の話が交互に繰り返されます。

そしてクライマックス、アカシャの野望を止めることができるのか? 始祖であるアカシャを傷つけたり、殺したりすれば、他の全てのヴァンパイア達にもはね返るという現実にどう対処するのか?

今回は前半(特にアルマンとダニエルの話)が長くて同性愛っぽい雰囲気だったのと、アカシャの力が強力すぎて現実離れしていたことなどもあって、前作星5つに対して4つと評価しました。

また、男性がいなければ、戦争や殺人は起こらなくなるなど、ちょっとそれは違うのでは?というテーマに対して、登場人物たちも乱暴な意見であるとしながらも半ば認めているところが違和感を覚えました・・・。 なぜって、アカシャ本人が王女として戦争と虐殺を行っていることですでに自己矛盾してるし(w

あとがきを読んで知りましたが、著者のアン・ライスは愛娘を亡くし、アルコール依存症になったところから、乗り越えて作家人生を歩んでいるそうです。 

「世の中には人の力ではどうすることもできない暗黒があり、いったんそれに捉えられてしまうと、それはそう簡単には人生から去ってはくれない。 けれど、人はやがて暗黒のなかでどうやって光を見出せばいいかを学ぶようになる。 そうなったとき、その人は光しか知らない他の人々の知ることのできない真実を理解できるようになるのだ。」とインタビューで答えているそうです。 確かにそのようなテーマがこの作品から読み取れるように感じました。

ヴァンパイア・クロニクルシリーズで始めに読んだのは、5作目の「悪魔メムノック」なのですが、まだ紹介できるのは先ですね・・・。 

そういえば、この「呪われし者の女王」は映画化されているのです。 「クイーン オブ ザ ヴァンパイア」という作品ですが、日本ではあまり話題になってませんよね? なんとなくDVD買っていたりするので、いずれDVDの紹介も書こうかと思ってます。

関連リンク(ブログ内)

14冊目 ヴァンパイア・レスタト

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呪われし者の女王(上)

呪われし者の女王(下)

DVD クイーンオブザヴァンパイア

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2007年2月17日 (土)

19冊目 華麗なる一族

山崎豊子の「華麗なる一族」を人から薦められて読んだのは1年以上前でしょうか。 今はテレビドラマにもなって話題になってますし、今回はこの作品を取り上げたいと思います。

評価:星4つ ★★★★ 

山崎豊子といえば、「白い巨塔」で有名ですが、ウィキペディアから引用すれば、「社会の暗部を鋭くえぐった小説として評価を得ている一方、フィクションに実話を織り込む手法は激しい批判を浴び、また盗作疑惑もささやかれている」そうです。 いずれにしても、本作品は金融に興味のない人でも楽しめるのではないかと思います。

物語は志摩半島の英虞(あご)湾の側にある志摩観光ホテルのダイニング・ルームから優雅に始まる。 シャンデリアや金屏風、新年の装いをした華やかな人々・・・。その中でも際立っているのが、この物語の中心となる、阪神銀行の頭取万俵大介とその一族です。

最初の会話からフランス語で始まり、内容から見てもセレブな、まさに「華麗なる」と証するに相応しい一族。 阪神銀行を中核として鉄鋼・不動産など一大財閥を築き、妻は公家の血を引き、長男は阪神特殊製鋼の専務で大物議員を叔父に持つ。 長女は大蔵省の有望なキャリアに嫁いでいる。 話が進むにつれ、さらに一族は閨閥を広げていき、総理大臣の親族まで取り込もうとします。

一方で銀行の方は、大介は都市銀行唯一のオーナー頭取として、銀行大合併の激しい生き残りをかけた争いを、築いてきた閨閥と策略で切り抜けていきます。

そんな華やかな面とは裏腹に、一族の暗く歪んだ部分の象徴ともいえる存在が高須相子で、もともとは子供の家庭教師として雇われたのに、今では正妻の寧子(やすこ)と交代で大介と同衾(どうきん)し、子供の結婚相手も一切取り仕切るようにまでなっている。

さらに、大介と長男鉄平の確執、次男銀平のトラウマ、閨閥結婚の不幸と、鉄平の生きがいと言える阪神特殊製鋼の危機が相まって悲劇が訪れます。

この作品は、実在した神戸銀行や岡崎財閥、山陽特殊鉄鋼などをモデルにしたと言われています。 それだけに物語の内容が現実味を帯びており、財閥一族の内情や銀行の生き残りをかけた戦いなどの描写に、読んでいて引き込まれるような魅力があります。

作品中、万博開催のための土地買収で巨額のお金を手に入れる農家などに対し、預金獲得の銀行間の戦いの中、頭取に期待されて過大な目標を立ててしまった支店長らが農家の田植えの手伝いまでしているシーンが印象的でした。

他にも、護送船団方式の時代ならではのMOF担(大蔵省担当)や情報集める忍者のような銀行員など、バブルがはじける前の金融行政の一端が描かれ、なんだか戦国時代の物語のようだな・・と思ってしまったり。

ラストの、それぞれの人の行く末と更なる銀行間の争いの予感なども感慨深いものがあります。

上・中・下巻と3巻の長編ですが、一気に読みきってしまうほど面白かったです。 テレビドラマで興味を持った人も、原作を読んでみてはいかがでしょうか?

ドラマもいよいよ最終回ですね。木村卓也が演じているからか原作より鉄平サイドの物語になってるような・・・。

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2007年2月 5日 (月)

18冊目 長いお別れ

ハードボイルドでお薦めの本は? と聞かれたら、迷わずレイモンド・チャンドラーの作品を挙げるでしょう。 「長いお別れ」(The Long Goodbye)はその代表作で、1954年に発表された長編です。

評価:星5つ ★★★★★

最初に読んだときは高校生の頃でしょうか、他に読みたい本がかなりあってさっと読んでしまって、この作品の味わい深さを分からないままでした。 その後「さらばいとしき女よ」や「高い窓」などを読んで気になり、読み返し、今回感想書くために読んで3回目となります。

あらすじですが、主人公で私立探偵のフィリップ・マーロウは、ひょんなことから、酔っ払って女に置き去りにされたテリー・レノックスを助ける。 これが元で何回か飲む仲間になるのだが、ある日事件に巻き込まれた風のテリーを空港まで送ったが、何日か後に彼がメキシコで自殺したことを知る。

妻殺しの犯人として自白の手紙も残されるが、マーロウにはテリーが犯人と信じられない。 しかも新聞でもあまり話題とならず、マーロウにはこれ以上事件に介入しないように圧力が加えられる。 テリーの死後、その死の直前に書かれたと思われる手紙が届き、中には20ドル紙幣と、バーでギムレットを飲んでテリー・レノックスの全てを忘れて欲しいとの言葉が遺されていた。

その後、アルコール中毒で行方不明の作家を探すという依頼を受けることになったマーロウ。 冒頭の事件とは一見何も関係もないと思われたが・・・・・。

作品の文章は奥が深く、よく読まないと登場人物の台詞の背景が分からないところもあります。 マーロウの皮肉っぽい台詞に思わずニヤリとしてしまいます。

主人公のマーロウはしがない私立探偵ですが、男としての確固たる信念というか、スタイルがあって、易きに流れず、あえて棹差す生き方をしますが、そんなところがマーロウの魅力なんでしょうね。 権力や暴力に臆せず、むしろそういう相手にこそ不遜な態度をとる一方、まったく得にもならないのに人を助けたり、妙に義理堅いところがあって、ハードボイルドという言葉がぴったり合う探偵だと思います。

今作ではマーローウ、ほとんどただ働きです・・・お金が入るチャンスはあったのに・・。 また、最後で2人の人間に「さよなら」を言いますが、ちょっと哀愁が漂います。 自分の生き方を変えてまで人と付き合えないということかな・・・。

推理小説・ミステリファンならば絶対にはずせない作品だと思いますし、そうでない人にもお薦めです。 題名の「長いお別れ」という言葉、そしてこの小説で有名な台詞「ギムレットにはまだ早いね」の深い意味を読み取れるまで読んでください・・・。

ちなみにギムレットとはジンベースのカクテルで、この作品では「本当のギムレットはジンとローズのライム・ジュースを半分ずつ、ほかは何も入れない」のだそうです。 ネットで調べると、名前のギムレットの由来はコルクスクリューに似た形をした大工道具の一種で、今はフレッシュライムジュースを使った辛口が主流だそうです。

「ギムレットにはまだ早いね」の意味は難しいですよね。 これも誰かが言っていたのですが、テリーとのことがいい思い出となって、昔を思い返すようにバーでギムレットを飲めるようになるには早すぎたという意味とか・・・。

貴方の解釈はどうですか?

追記しますと、今月(19年3月)ハヤカワ書房から、村上春樹の翻訳で「ロング・グッドバイ」として新たに販売されるみたいですね。 おそらくハードカバーではないのに2,000円ってのは、ちょっと高めかと思いますが、またレンモンド・チャンドラーが有名になるかも・・。

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カクテルバーMIXINGDRINKS ・・・ギムレットについて

こちら今月発売予定の「ロング・グッドバイ」

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