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2007年3月 8日 (木)

20冊目 呪われし者の女王

アン・ライスヴァンパイア・クロニクルシリーズの3作目、「呪われし者の女王」を今回はご紹介したいと思います。 前作「ヴァンパイア・レスタト」の最後、ロックコンサートの騒動の後にアカシャにさらわれたレスタトがどうなるのか、その続きと結末が本作で語られます。

呪われし者の女王

 

 

 

評価:星4つ ★★★★ 

呪われし者の女王とは、前作でヴァンパイア・マリウスが古代から護ってきた、全てのヴァンパイアの始祖であり、動かぬ彫像として安置されていたアカシャのことです。 

古代エジプトの時代からヴァンパイアとして蓄えた力は想像を絶するものがあり、世界中の人間の思念を受信し、天敵である太陽すら表面を焦がすにすぎません。 超高速で空を飛べる上、前作の最後でも使われましたが、念じるだけで人間やヴァンパイアを殺せるほどの力を持っています。

今まで石像のようにほとんど動かなかった彼女がレスタトに刺激され目覚めるわけですが、なぜ各地のヴァンパイアを襲ったのか、そしてレスタトをさらって何をしようとしているのか? アカシャの恐るべき野望も後半で明らかになっていきます。

上巻の前半は時間を巻き戻って、前作の最後、レスタトのコンサートに至るまでの他のヴァンパイアや人間の様子が語られます。 

アカシャの目覚めに直面したマリウスの危機とヴァンパイア達の王であったエンキルの最期。 それを助けに向かうパンドラサンティーノ。 この辺りで登場するヴァンパイアたちは前作では存在すら疑われていた伝説のヴァンパイアです。

ヴァンパイア・アルマンと元記者のダニエル(インタビューウィズヴァンパイアでヴァンパイア・ルイにインタビューした人物です)の物語。 若いヴァンパイア達がアカシャに襲われる様子。 世界中の超常現象を調査している団体、「タラマスカ」の女性調査員ジェシーの一族に関する謎。

それらの中で繰り返し現れる夢が「双子の夢」です。 それが何を意味するのか? 謎を置いたまま物語は先に進みます。

後半になると、レスタトアカシャの話と、「最初の血」と呼ばれるアカシャと並ぶ最古老のヴァンパイアの元に生き残りの他のヴァンパイアが集まり、「最初の血」、マハレが語るヴァンパイアの歴史の真実と悲劇の話が交互に繰り返されます。

そしてクライマックス、アカシャの野望を止めることができるのか? 始祖であるアカシャを傷つけたり、殺したりすれば、他の全てのヴァンパイア達にもはね返るという現実にどう対処するのか?

今回は前半(特にアルマンとダニエルの話)が長くて同性愛っぽい雰囲気だったのと、アカシャの力が強力すぎて現実離れしていたことなどもあって、前作星5つに対して4つと評価しました。

また、男性がいなければ、戦争や殺人は起こらなくなるなど、ちょっとそれは違うのでは?というテーマに対して、登場人物たちも乱暴な意見であるとしながらも半ば認めているところが違和感を覚えました・・・。 なぜって、アカシャ本人が王女として戦争と虐殺を行っていることですでに自己矛盾してるし(w

あとがきを読んで知りましたが、著者のアン・ライスは愛娘を亡くし、アルコール依存症になったところから、乗り越えて作家人生を歩んでいるそうです。 

「世の中には人の力ではどうすることもできない暗黒があり、いったんそれに捉えられてしまうと、それはそう簡単には人生から去ってはくれない。 けれど、人はやがて暗黒のなかでどうやって光を見出せばいいかを学ぶようになる。 そうなったとき、その人は光しか知らない他の人々の知ることのできない真実を理解できるようになるのだ。」とインタビューで答えているそうです。 確かにそのようなテーマがこの作品から読み取れるように感じました。

ヴァンパイア・クロニクルシリーズで始めに読んだのは、5作目の「悪魔メムノック」なのですが、まだ紹介できるのは先ですね・・・。 

そういえば、この「呪われし者の女王」は映画化されているのです。 「クイーン オブ ザ ヴァンパイア」という作品ですが、日本ではあまり話題になってませんよね? なんとなくDVD買っていたりするので、いずれDVDの紹介も書こうかと思ってます。

関連リンク(ブログ内)

14冊目 ヴァンパイア・レスタト

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呪われし者の女王(上)

呪われし者の女王(下)

DVD クイーンオブザヴァンパイア

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