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2007年2月 5日 (月)

18冊目 長いお別れ

ハードボイルドでお薦めの本は? と聞かれたら、迷わずレイモンド・チャンドラーの作品を挙げるでしょう。 「長いお別れ」(The Long Goodbye)はその代表作で、1954年に発表された長編です。

評価:星5つ ★★★★★

最初に読んだときは高校生の頃でしょうか、他に読みたい本がかなりあってさっと読んでしまって、この作品の味わい深さを分からないままでした。 その後「さらばいとしき女よ」や「高い窓」などを読んで気になり、読み返し、今回感想書くために読んで3回目となります。

あらすじですが、主人公で私立探偵のフィリップ・マーロウは、ひょんなことから、酔っ払って女に置き去りにされたテリー・レノックスを助ける。 これが元で何回か飲む仲間になるのだが、ある日事件に巻き込まれた風のテリーを空港まで送ったが、何日か後に彼がメキシコで自殺したことを知る。

妻殺しの犯人として自白の手紙も残されるが、マーロウにはテリーが犯人と信じられない。 しかも新聞でもあまり話題とならず、マーロウにはこれ以上事件に介入しないように圧力が加えられる。 テリーの死後、その死の直前に書かれたと思われる手紙が届き、中には20ドル紙幣と、バーでギムレットを飲んでテリー・レノックスの全てを忘れて欲しいとの言葉が遺されていた。

その後、アルコール中毒で行方不明の作家を探すという依頼を受けることになったマーロウ。 冒頭の事件とは一見何も関係もないと思われたが・・・・・。

作品の文章は奥が深く、よく読まないと登場人物の台詞の背景が分からないところもあります。 マーロウの皮肉っぽい台詞に思わずニヤリとしてしまいます。

主人公のマーロウはしがない私立探偵ですが、男としての確固たる信念というか、スタイルがあって、易きに流れず、あえて棹差す生き方をしますが、そんなところがマーロウの魅力なんでしょうね。 権力や暴力に臆せず、むしろそういう相手にこそ不遜な態度をとる一方、まったく得にもならないのに人を助けたり、妙に義理堅いところがあって、ハードボイルドという言葉がぴったり合う探偵だと思います。

今作ではマーローウ、ほとんどただ働きです・・・お金が入るチャンスはあったのに・・。 また、最後で2人の人間に「さよなら」を言いますが、ちょっと哀愁が漂います。 自分の生き方を変えてまで人と付き合えないということかな・・・。

推理小説・ミステリファンならば絶対にはずせない作品だと思いますし、そうでない人にもお薦めです。 題名の「長いお別れ」という言葉、そしてこの小説で有名な台詞「ギムレットにはまだ早いね」の深い意味を読み取れるまで読んでください・・・。

ちなみにギムレットとはジンベースのカクテルで、この作品では「本当のギムレットはジンとローズのライム・ジュースを半分ずつ、ほかは何も入れない」のだそうです。 ネットで調べると、名前のギムレットの由来はコルクスクリューに似た形をした大工道具の一種で、今はフレッシュライムジュースを使った辛口が主流だそうです。

「ギムレットにはまだ早いね」の意味は難しいですよね。 これも誰かが言っていたのですが、テリーとのことがいい思い出となって、昔を思い返すようにバーでギムレットを飲めるようになるには早すぎたという意味とか・・・。

貴方の解釈はどうですか?

追記しますと、今月(19年3月)ハヤカワ書房から、村上春樹の翻訳で「ロング・グッドバイ」として新たに販売されるみたいですね。 おそらくハードカバーではないのに2,000円ってのは、ちょっと高めかと思いますが、またレンモンド・チャンドラーが有名になるかも・・。

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カクテルバーMIXINGDRINKS ・・・ギムレットについて

こちら今月発売予定の「ロング・グッドバイ」

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