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2007年1月 7日 (日)

16冊目 魔術師の夜

刑事マロリーのシリーズ最新刊(とはいっても読んでから1年経っているのですが)を今回はご紹介します。 上・下巻2冊構成となっています。

評価:星4つ ★★★★

題名からも想像できるように、今回は被害者、容疑者共にマジシャンという設定です。 加えてマロリーシリーズで何度も名前が出ている伝説のマジシャン、マックス・キャンドルマラカイの過去も詳しく語られ、今まで張られていた複線が明るみに出た、という感じです。

あらすじは、マックス・キャンドルの遺した「失われたイリュージョン」を仲間のマジシャンが再現しようと、TVの前で3つのクロスボウから発射される矢をかわすマジックを実行します。 ところが、何かトラブルがありマジシャンは矢に貫かれて死んでしまいます。

事故の可能性が残る中、マロリー(いつものとおり)独自に捜査を始めますが、関係者はマジシャンばかり。 今までと違って一筋縄ではいきません。 一度ならずも罠にかけられ、TVからも名指しで批判され一時は捜査を止められてしまいます。

登場するマジシャンの中でも最も注目されるのが、今までも話では出てきたマラカイです。 記憶障害の病を持ちながらも未だ他のマジシャンとは一線を画す一流の腕前。 昔死んだ妻を未だ生きているかのように魅せる魔術、「ルイーザのコンツェルト」。

ポーカーに死んだ妻を参戦させ、誰もいないはずの席から投げられるチップ、そしていつの間にか灰皿に火がつき口紅のついたタバコが出現。 後半で拳銃を持ったマロリーと正面から対峙して鮮やかに切り抜ける手口。 実際にやるとするとかなり苦しいものもありますが、トリックどうこうより、綿密な準備と人の心理を巧みに利用したマラカイの手並みはまさに一流と言わざるを得ません。 

病のせいもあってちょっと狂っている面もありますが、端正で紳士的で腕は一流。 マジックをやる人ならば、一度はこんなマジシャンになってみたいと思うのではないでしょうか?

この話は、犯人が誰かということよりも、マロリーマラカイの戦い、そして恋愛(?)の物語といってもいいでしょう。 現在の殺人を解明するために過去、第2次大戦中まで話は遡ります。 果たしてルイーザの死の真相はどのようなものだったのでしょうか? そしてチャールズの恋の行方は?(笑)

最後、犯人に対するマロリーの冷酷な復讐がなんとも印象的でした。 マロリーシリーズを読んだ人はもちろん、マジックに興味を持つ人にもお薦めしたい作品です!

関連リンク(ブログ内)

7冊目 氷の天使

1冊目 クリスマスに少女は還る

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