« デビッドカッパーフィールド見てきました | トップページ | 14冊目 ヴァンパイア・レスタト »

2006年12月10日 (日)

13冊目 紅衣の公子コルム

マイケル・ムアコック著のエターナルチャンピオンシリーズの一つ、「紅衣の公子コルム」、今回はその第1部である「剣の騎士」、「剣の女王」、「剣の王」の3冊を紹介します。

Photo

 

 

評価:星5つ ★★★★★

(絵柄的に3巻目が良かったので「剣の王」を張りました・・。)

コルムの物語は第1部と第2部ではまったく違った話となっています。 第2部では違う時代に召還され、そこでの冒険となるのです。 第2部までの全6巻を見ればコルムは、四英雄(エルリック、エレコーゼ、ホークムーン、コルム)の中で最も悲惨な結末を迎えるヒーローです(w エルリックより酷い最期だなーと個人的に思うのですが、どうでしょう?

前半でコルムは、「コルム・ジャエレン・イルゼイ」と呼ばれ、後半では「コルム・ルロウ・エレイント」と呼ばれます(意味は本を読んでください・・)。

とはいえ、第1部はめずらしく(?)ハッピーエンドを迎えます。 第1部は、コルムの生まれた世界の話。 ヴァドハーというエルフのような種族に生まれたコルムですが、ヴァドハーを怨むマブデン(人間のこと)たちが出現し、家族を含めコルム以外の一族は虐殺されてしまいます。

コルム自身も敵の拷問を受け片眼と片腕を失います・・・(うーん、やっぱり悲惨だな・・)。  辛くも生きながらえたコルムは味方に出会ったり、再び一族の仇と戦ったりしながら古代の魔術師の島で神々の体の一部、「クゥイルの手」と「リンの眼」を生体移植されます。 これらが3部作でコルムの超自然の武器となります。

リンの眼」は地獄の奥底「リンボ界」を覗き見、「クゥイルの手」は「リンボ界」にいる死人を呼び寄せ従わせます。 言わば召還術なのですが、呼び出す者たちは直近で殺した敵というのが珍しいというか、呪わしい設定ですね・・。

このような武器と旅で仲間になるものたちとコルムは戦っていくのですが、マブデンたちの背後で糸を引いていたのは、混沌の神々であったことが分かるのです。

第1巻では地獄の大公アリオッチ、第2巻ではキシオムバーグ、第3巻ではマベロードと、強大な神々を敵に回して戦うこの3部作は結構好きです。 最後もハッピーエンドを迎えるし・・・(ハッピーエンドは納得いかないという人もいるのかもしれませんが・・)

1巻のアリオッチとの戦いも単純に戦闘するのではなく、幾重にも張られた罠と偽りで絶体絶命の危機に陥ったりと、ストーリーがよく練られていて、全体的にエルリックサーガエレコーゼサーガなどよりまとまりのある物語に仕上がっています。 中盤でのシュール・アン・ジヴァンという妖術師とのやりとりも面白いですね。

また、1巻の序章で物語の導入が語られますが、ここの表現はかなり気に入っています。 しかるに<人間>は、不安の奴隷でありながら、無知ゆえに傲慢な態度で、よろよろと前進を続けた。あきらかにちっぽけな己の野心がひき起こした巨大な崩壊が見えなかったのだ~<人間>を創造することにより、宇宙は古い種の生物たちを裏切ってしまった。」 ムアコックはこの時期とても人間嫌いな時期だったんでしょうか?

第2巻「剣の女王」では、ジャリー・ア・コネルという、英雄の介添人が登場し、コルムが永遠の戦士の一人であることを告げます。 そして混沌に仕えるマブデンと混沌の神キシオムバーグの援軍が攻めてくることが判明するのです。 まったく勝ち目のない戦いを前に、強力な同盟者がいることを知りますが、同盟者はキシオムバーグが支配する次元にいるという。 コルムたちは同盟者と見つけることができるのでしょうか?  あ、忘れるところでした、呪われし運命のゲイナーも登場します。 記憶が定かではないですが、薔薇の復讐にもでてきましたよね・・? 混沌に服従させられている元永遠の戦士です。

第3巻では、前回平和が戻ったように見えたのもつかの間、コルムの宿敵であるグランディスが混沌の神マベロードの助力を得て攻撃を仕掛けてきます。 なんとか逃げ切ったものの、妻であるラリーナとはぐれ、他の次元を彷徨うことになるのです。 ここでエルリック・エレコーゼなど他の永遠の戦士と運命が重なり合ったり、永遠の都市タネローンを求めたりしながら、混沌を倒す方法を探します。 ここで物語りはいったん終わりますので、クウィルの手やリンの眼の謎なども全て明かされ、一応の大団円を迎えます。

今ではなかなか本を手に入れにくい状況ですが、マイケル・ムアコックの作品が気に入った人ならば、古本屋で探してでも読む価値のある作品です! ホークムーンが新版で出てるのだから、コルムシリーズもぜひ出して欲しいですね~。

(追記) あれから月日も流れ・・・ついにコルムシリーズも書店にならびましたね! 今は「雄牛と槍」の題名で後半の三部作が1冊になって出ています。 後半はまったく異なる話になりますが、自分的には四英雄中で最も悲惨な結末と言えるコルムの物語、ぜひ読んでみてください(w

関連リンク(ブログ内) 

3冊目 エルリックサーガ 「メルニボネの皇子」

11冊目 ストームブリンガー

25冊目 エレコーゼサーガ「剣の中の竜」

サイト内のご案内

(ブログ外)

はてなでの検索結果

剣の騎士(新版、旧版の1~3巻に相当)

雄牛と槍(新版、旧版の4~6巻に相当)

|

« デビッドカッパーフィールド見てきました | トップページ | 14冊目 ヴァンパイア・レスタト »

ファンタジー・SF」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/191185/12809476

この記事へのトラックバック一覧です: 13冊目 紅衣の公子コルム:

« デビッドカッパーフィールド見てきました | トップページ | 14冊目 ヴァンパイア・レスタト »