« サイト内のご案内 | トップページ | アマゾン.COM対応に! »

2006年11月 9日 (木)

10冊目 魔道士の掟

真実の剣シリーズの第一編「魔道士の掟」テリー・グッドカインド著 を紹介します。 最新刊は今年10月発売の「魔教の黙示 3 戦争と結婚」で、すでに29巻くらいでています。

評価:星4つ ★★★★

星4つという評価は作品全体に対してです。「魔道士の掟」(文庫全5巻)への評価は星5つにしてもいいかな、と思っています。 ロバート・ジョーダン著の「時の車輪」シリーズと並んで世界中で売れている本格ファンタジー小説です。

ストーリーは、森の案内人であった主人公リチャードが、偶然ひとりの女性を救ったことから全世界を恐怖で支配しようとしているダークン・ラールを倒す使命を負う事になっていくというファンタジーではお馴染の展開ですが、色々な意味で個性的な物語となっています。

剣と魔法のお馴染の展開も独特の味付けがなされ、面白いのですが何より、そこに描かれる人間の生き方、考え方が強烈に描かれているのです。

たとえば、リチャードは突然「探求者」という称号を与えられますが、探求者は真実のみを追い求め、独力で勝利を得なければなりません。かつて、探求者の発したたった一つの質問で一国の王が震え上がったとさえ言われるほどの力をもつ存在なのです。

リチャードもそんな探求者としての素質の片鱗を1巻から示していくのですが、確かに読んでいてハッとさせられる見事な質問を投げかけています。言葉が剣や魔法より力を持つ瞬間・・。現実の世界でも、質問の仕方ひとつで状況が変わることってありますよね。 特に4巻でのリチャードが老魔道士に発した質問には感心させられました・・・日常でも使えそうですね・・。

そしてもうひとつ、この編の題名でもある「魔道士の掟」ってやつです。 4巻で最初の「魔道士の掟、その1」が登場します。(本を読む前に見たくない方もいるでしょうから、伏せておきます。読みたい人は「」の間をドラッグして反転させてください。) それは、「人は愚かなものであると心得よ」というものです。

これだけではいまいち意味が分かりませんが、「人は愚かなものであり、それを信じたいがゆえに、あるいはそれが真実であることを恐れるがゆえに、嘘を信じてしまう」という意味だそうです。これはとても深い言葉ですし、この掟を応用することにより人々を都合のいいように操ってしまうことすらできてしまいます。 これは物語の世界だけの話ではなく、現実の世界でも往々にしてあることなので、考えさせられました。

ファンタジーは寓話として、現実世界へのメッセージや教訓を分かりやすく伝えてくれますが、この作品も色々な面で作者の伝えたいメッセージがこめられているのです。

最新刊である「魔教の黙示 3 戦争と結婚」ではついに掟その6が登場しました。うーん、この頃になるとリチャードの立場もずいぶん変わっていて、魔道士の掟なんて半分忘れてました・・・掟その5とか4など記憶に残ってないので、一覧表でも作って欲しいくらいです(w

さらに、このシリーズの魅力というか、特徴ですが、いつも主人公が絶体絶命で勝つことが不可能な状況に追い込まれ、みごと(もしくは辛くも)逆境から抜け出すストーリーとなっていることです。

生半可な危機ではなくて、本当に絶望とも言える設定です・・・毎回・・・著者は相当のSだなあ・・・と読まれた人は思うはず(w 魔法の世界なので予言も度々出てきて重要な役割を果たしますが、その内容も最も信頼している仲間(時にはヒロインから!)裏切られて致命的な攻撃を受けるように予言されることもあったりします。 

まあ、そこは物語が進むと予言の本当の意味が明らかになるのですが、まったく毎回よくこんな逆転不可能な立場に追い込むなあ・・と。主人公とヒロインは美男美女で類まれなる能力をもっていますが、ちっとも羨ましくないです(w

剣と魔法と作者の強い思いが込められたこのシリーズ、ぜひお薦めします! (今回久しぶりに5冊全部読み返したので、感想書くのに時間かかってしまった・・・)

関連リンク(ブログ内) 

17冊目 真実の剣シリーズ「魔教の黙示」4

サイト内のご案内

真実の剣シリーズ~魔道士の掟~

第1巻 探求者の誓い

 魔法とは無縁に暮らしていたリチャードと魔法の国から来たカーランとの運命的な出会い。彼女の使命はダークン・ラールの野望を命に代えても阻止すること。その絶望的な使命が果たされなければ、全人類はダークン・ラールの奴隷になってしまうとういう!

第2巻 魔法の地へ

 魔道士から探求者に任命されたリチャードは、ヒロインであるカーランと共に死者の世界に通じる魔法の境を通り抜けなければならない!彼らは境を越え、ミッドランズへたどり着くことができるのか?

第3巻 裏切りの予言

 ミッドランズの辺境に住む排他的な部族、泥の民。情報を得るために、リチャードは彼らから信頼を勝ち得なければならない!それは、順調に進んだかに見えたが、ひと波乱起きます。そして、魔女より恐ろしい予言がもたらされます。

第4巻 結ばれぬ宿命

 ついに、カーランの正体と聴罪師長という称号の意味が明かされる。それは、彼女とは絶対に結ばれぬ運命を意味していた・・・。ダークン・ラールが求める魔法の箱を隠してきた魔道士ギラーの最期の賭けとは?そして、すべてがうまくいったかに思えたとき、リチャードは人格を変えられるほどの絶体絶命の窮地に追い込まれる!

第5巻 白く輝く剣

 ついに魔道士の掟編のクライマックス!ダークン・ラールに捕われたリチャードの運命は?魔女ショータの恐るべき予言がついに現実のものとなり、全ての望みはなくなったかに見えたが・・・。

最新刊 魔教の黙示 戦争と花嫁

 シリーズ最新作です。

|

« サイト内のご案内 | トップページ | アマゾン.COM対応に! »

ファンタジー・SF」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/191185/12477218

この記事へのトラックバック一覧です: 10冊目 魔道士の掟:

» 魔道士の掟 1 探求者の誓い / テリー・グッドカインド [本棚]
父をなにものかに惨殺された森の案内人リチャード。彼は、犯人の手がかりを求めて森をさまよううちに、ひとりの女性を危機から助けることになる。そして、それが冒険の旅の始まりだった。現代のファンタジィの巨頭といわれるロバート・ジョーダンと並んで名前がでている作者。この作品も原作の1冊を分割しての出版らしい。正直、ロバート・ジョーダンよりも、すんなり読める。登場人物の性格のよさにもよるのだろうか?(笑)これまた続きが楽しみな作品の登場である。 魔道士の掟〈1〉探求者の誓い―「真実の剣」シリーズ第1部テリー ... [続きを読む]

受信: 2007年1月 7日 (日) 17時37分

« サイト内のご案内 | トップページ | アマゾン.COM対応に! »